「この団子、美味しいのな」
土方は、団子に噛みつきながらそうにこやかに賞賛した。
すると近藤が、「そうだろ、そうだろ」とまるで自分が作ったものであるかのように、嬉しそうに破顔する。
「まだたくさんあるから、トシ、もっと食っていいぞ」
「そんな食えねえって、もうすぐ飯だし」
差し出された茶色の紙袋をやんわりと押し戻すと、近藤は「遠慮しなくていいのに」と自ら袋のなかに手を突っ込み、串を一本つかんで出した。
美味い美味いとみたらしを頬張る近藤を、土方はそっと上目遣いで見やった。
「なァ、近藤さん」
「んー?」
「これ、どこの店の」
尋ねると、近藤は意外そうに目を瞠った。
「なんだ、そんなに気に入ったのか」
「だって、アンタがそんなに……アンタにばっか買って来てもらってるから、たまには俺も買って来てやろうかなって思っただけだ」
「そうか! それじゃあ今度、案内してやるから一緒に行こう。川沿いにある店だ、そう遠くない」
「ああ、ありがと」
土方は団子のなくなった串を、歯形がつくまで噛みしめた。