現代パロ/女体/ダイヤルQ2物語
ボクの初体験 2
「は、はい」
裏返った声を誤魔化すよう咳払いし、ドアノブに手をかける。ゆっくりと古ぼけたドアを開けると、すぐ目の前にひとりの女が立っていた。切れ長の瞳にまっすぐ通った鼻筋、きゅっと引き結んだくちびるが若干色を失っていたが整った顔をしているのは一目瞭然、存外きれいな女で近藤は驚いた。
「――アンタが近藤さん?」
小首をかしげながら女が言った。近藤はごくりと喉を鳴らしてうなずくと、彼女を室内に招き入れた。通り過ぎる際にショートカットの黒髪からただよってきたシャンプーらしき甘い香りにどぎまぎする。
「えーと、適当に寛いでて……」
まさかさっそくベッドに誘い込むなんて据え膳なことはできないから言葉を濁してみたが、彼女はすたすたとベッドに歩み寄るとどっか
り腰を下ろしてしまった。思わず凝視してしまうと、なんか文句でもあるのかと言わんばかりに鋭い双眸に睨みつけられてしまったので、近藤は急いで顔をそらして間を持たせるために冷蔵庫を開けた。なかには缶ビールが数本とコーラが一本あるだけだった。こういう場合は酒を飲んだほうがいいのだろうかとジッとビールを見つめて考え込んでいると、背後から思いもがけない言葉を投げつけられた。
「アンタって巨乳好き?」
手のなかからビールが落ち、足の甲に強かぶつけてしまった。短い悲鳴をあげ目尻に涙をためたまま振り返ると、女が身をかがめるようにしてベッドの下を覗き込んでいるところだった。
「アッ、アー!」
女の足許にはカモフラージュにしていたはずのメンズ雑誌が散らばっている。彼女が探っているベッド下の奥には、決して見られてはならない隠蔽すべきブツがたくさん詰まっているのである。
さっそく見られてしまった!
近藤はあたふたと彼女の手から卑猥な雑誌を奪い取り、ふたたびベッドの下へと投げ込んだ。そうして彼女の前に仁王立ちになった。
「勝手に見ちゃダメでしょ!」
「……だっていかにも怪しい感じだったから」
飄々と言い放たれ、近藤はがくりと肩を落とした。さり気なく隠しておいたほうがよかったのか――。ベッドの下というありきたりな隠し場所が災いした。気まずさに黙り込んでいると、やがて女がぽつりとつぶやく。
「……じゃあおれじゃないほうがよかったかも」
「え?」
「おれ胸ないし」
そう言って彼女は自分の襟元をつかんで自分の胸元を覗き込んだ。無意識に近藤もそちらを目で追うと、それに気づいた女が「見るな」と目許を赤らめながら胸元を隠した。
20070713