蜉蝣の命
切なげに声をあげて達した土方は、埋め込んでいたペニスを抜こうと腰を引く近藤の動きを阻止すべく、しなやかな動作で太い首に両腕をまわした。
「なかで……」
囁くなり、熱い迸りが体内に送り込まれた。もっともっと、と土方が熱心にねだった結果である。見上げれば、近藤は戸惑ったような顔をしていた。額に大粒の汗を光らせ、息を乱しながらすまなそうにしている。土方はその姿にひどく欲情した。いまだ入ったままの近藤を締めつけると、近藤がちいさく呻いた。
「……トシ」
「もうすこし……」
土方は近藤が離れていくのを怖れていた。彼が己といるのはこのひとときだけではないだろうか、という懸念がいくら近藤と抱き合っても消え去りはしないのだ。きっとこれで最後なのだという疑念がまとわりつき離れやしないのだ。
こうやって近藤と幸せな時間を過ごしているのは――さながら蜉蝣の命のように短いものではないのか。土方は幸せであればあるほど、その後に襲われる寂寥感を怖れていた。
――ああ、いっそのことこのひとを殺したい殺したい殺したい。衝動で、息が苦しくなる。布団に爪を立て、必死に抑えようとした。萎えていた性器は充血し、すっかり勃ちあがっている。
「近藤さん、さわって……」
土方は近藤の腕を己の劣情へと導いた。ふれた瞬間にそれはぴくりと震え、ひと筋の滴を垂らした。
20070923