見限れ、愛する色情魔


 ああンそこはだめェェ。画面のなかではAV女優が裸体をくねらせヤラシイ声をあげている。ぐちゃぐちゃヤラシイ音はさながらBGMか。こんなモン見ておもしろいのかととなりにいる近藤さんを見やれば、やけに真剣に画面に見入っているからあきれてしまう。まったくなにを考えてンだか。ああ、いまはエロビデオのことで頭がいっぱいだろうな。……なんかむかつく。ッてかこのひと、俺がとなりにいること忘れてねェよな? だいたい俺をここに呼んだのは近藤さんだったはず。にもかかわらず俺をほったらかしにしてAVに夢中になるとはイイ度胸じゃねェか! 奥歯を噛みしめ近藤さんの下半身をむんずとつかんでやれば、「うわっ、トシィ!」と驚いた声をあげながらもそこはすでにイイ具合に硬くなっているのがわかった。アアそれもこれもエロビデオのおかげだよな、断じてこの俺ではなくエ・ロ・ビ・デ・オ・の! そう考えると無性に腹が立ってきて、着物の裾に手を入れじかに近藤さんの一物にふれてやる。覆いをなくした熱いソレは、解放を待っていたかのようにピンと天井を仰ぎ見る。そっと絡めた指先に、先走りの汁がべったりヌルヌル。思わず喉をゴクンと鳴らし、指を口に運ぼうとすれば近藤さんがそれを遮るかのように俺の手首をつかんでくる。とはいっても力はそんなに入ってない。イヤだなそンなことされるとよけいに舐めたくなっちまう。振りほどくのは、いたって簡単。自由になった指先を、念願叶って口許に。ねっとり舌を絡ませながら、じりじりとのぼっていくのは近藤さんの膝の上。視線は離さず見つめあったまま、なァアンタはさわってくれねェの、指先をひと噛みすればもうこっちのモン。目の前のオトコの眼の色がかわって、互いの歯がぶつかりあうくらいの激しいキス。舌を吸いあいながら硬い手のひらに太腿を覆われた瞬間、全身に快感が駆け抜ける。ああンそこはだめェェ。さっきの三流AV女優の台詞を思い出し、ココで俺が言ったら興醒めだろうかなんてバカなことを考えていたら、なにを考えてるんだトシ、ちょっと不機嫌そうなカオをして近藤さんが愛撫をやめる。なにって俺はいつでもアンタのことしか考えてねェんだけどな。四六時中、頭ンなかはアンタのことでめいっぱい。だからはやくさわってよ、腰を揺らすとぴくぴく震えた俺のちんこが、同じように張り詰めた近藤さんのソレとふれあった。熱いため息を吐き出して、筋張った手指が俺に絡まれば、ねちゃねちゃヤラシイ音が聞こえてくる。近藤さんにしがみつき、ちいさな喘ぎ声をあげながら、なァ後ろも……、遠慮がちに言い出すと、まったくおまえは、なんて苦笑される。しょうがねーじゃん、アンタでおぼえた味なんだから。俺の先走りで濡れた指を口に含み、たっぷり唾液を伝わせる。そうして窄まりをつついた指先は、まるで俺を焦らすかのようにゆっくりなかへと入ってきた。ぼんやり滲んだ視界には、あいかわらずうるさくアンアン喘いでいる女が映る。なァ近藤さん、俺もあんなふうになったほうがイイ? 冗談まじりに訊ねてみれば、じゃあ俺ががんばらなきゃな、ニヤリと笑うそのカオだけで、俺はもうイッてしまいそう。


20071105