「歯ァ痛い……」
 一体何度目だろうか。頬に手を当てた近藤がうっそりと呟くのを耳に入れて、土方は大仰にため息をついた。
「だったら早く歯医者行け」
「えええ、だって怖いじゃん!」
「ンなこと言ってるとそのうち神経までやられて抜くはめになるぞ」
 冷たく言い放つと近藤はグッと押し黙ってしまう。
 まったく、真選組局長が、それ以前にいい年した男が何を情けないことを。 呆れ返る土方を近藤は恨みがましく見つめてくる。
「じゃあトシ、診察台でもずっと手ェ握っててくれる?」
「――ああ」

そして二度と放してやるもんか。
20060608