生温い水
尻の肉に食い込んでいた無骨な指が、じわりじわりと中へと入ってくる。土方は小さくうめいた。
すると苦しげに息を吐き出す土方を案じたように指の動きが止まる。土方はすかさず「いいから」と先を促した。
躊躇いをみせた指はしかし土方への進入を再び試みて、わざと焦らしているのではないかと土方が懸念するほどそれはもうゆっくりと時間をかけて、太い指の付け根まで埋まった。
「近藤さん」
思わず苛立ったような声を出せば近藤は「ああ」だとか「スマン」だとか独り言を繰り返して、ようやく挿し入れを始めるのだ。
土方は再びうめいた。けれど今度の吐息は苦しさだけのものではなかったし、その声を聞いても近藤は動きを止めようとはしなかった。
「あ……」
やがて押し入ってきた熱量はそれまでのものとは比べようもないほどで、恐らく近藤もつらいのだろう、ひどく顔をしかめて唇を噛み締めていた。
それが妙に色っぽく、土方の目には映ったので、どうしようもなく欲情をしてしまって、喘ぐ。
手を伸ばし近藤のうなじに触れると、そこは湿っぽく、ぬるりとした感触が指を伝った。
――汗だ。透明な液体のついた指を土方は己の口許まで運び、舌に乗せた。無意識の行動だった。しょっぱい味が口内に広がり、我に返る。
こくりと音を立てて嚥下すると、今しがたの行為を見咎めるかのように、近藤が目を眇めた。
もしくは、その行為にさらなる欲情、をしてしまったのかもしれなかった。
こめかみからぽたりぽたりと滴り落ちる汗は、土方の口許を熱くうるおした。
なァアンタのが早く飲みたいよ。
20060608