安眠を貪る
近藤さんが、となりで寝ている俺そっちのけでぎゅっと枕を抱いているから、俺は無性にいらだって、近藤さんの腕のなかでくしゃくしゃになっている枕を力任せに引っ張った。すると近藤さんは、お、と驚いたように目を開けて、無言で枕を頭の下に押しこめている俺をじっと見つめていた。ずいぶん高くなった視界から近藤さんをチラと見やると、太い腕がおもむろに俺を抱きしめて、
「……トシでいっか」
「俺がいい、のまちがいだろ」
邪魔な枕を押しやって、近藤さんの胸もとに顔をうずめて、俺はようやく落ち着くことができた。
20090813