Let's enjoy shopping !


 学校帰りのことだ。 土方がコンビニエンスストアに寄りたいと言い出したので、ちょうど通りかかった店へと入る。 店内にはまばらに客がいるだけで、アルバイトと思しき若い店員も怠慢な様子であくびをかみ殺していた。
 煙草でも買うのかと思ったけれど、今は制服を着用しているからさすがにそれはないだろう。 ならば小腹でも空いておやつでも調達するのだろうか。 ぼんやりと考える近藤をよそに、土方はまっすぐにとある陳列棚まで歩いていき、足を止めた。 手を伸ばす土方の背後から近藤はひょいと顔を覗かせる。
「なに買うンだ?」
「ゴム」
「はっ?」
 土方は手のひらサイズの小箱を近藤に見せつけるようにし、
「今日使うんだろ? 確か切れてたンじゃなかったか」
「ト、」
「近藤さん、一緒に買ってこようぜ」
 妖艶に笑った土方はするりと近藤の手に自分の指を絡める。幸いレジからは死角になって見えない場所だけれども。
「こっ、こらトシ!」
 思わず慌てふためいて顔を赤くすると土方はおかしそうにくすくす笑う。 揶揄われたんだなと思いしかめ面を浮かべる近藤に対して、「ひとつじゃ足りねェかな……」と土方は一転深刻そうに呟いた。

20060531