藪のなか


「こんなに好きになるのって、俺、どっかおかしいのかな」
 ぽつりとつぶやいた言葉に首をかしげているところを見るとどうやら聞こえなかったらしい。それでいい。俺は火のついていない煙草を手のなかでいじりながらなんでもないとこたえた。自嘲し、くずれた煙草を払い落とした俺はおなじように笑うひとを目にして、息をのみこんだ。
「――じゃあ俺もおかしいのかもな」

そんなふうにわらわないでいますぐそんな感情捨ててしまってよじゃないといつまでも貴方のこと、

20080331