「俺、アンタのことが好きなんだよな。たとえばアンタが俺以外のだれかを好きになっても俺はアンタのことがずーっと好きだし、……あ、たとえばだからな、たとえば、アンタが俺のそばからいなくなっても俺はアンタのことを追いかけに行くし、……そんくらい俺は――」
 一気にしゃべった土方は、そこでいったん口を閉じた。
 どんなにことばを並べても、この気持ちを言い表すことができず、もどかしい。
 土方が黙りこくっていると、あの、と下のほうからおそるおそるといったふうに声をかけられた。
「……で、トシくん。いつになったら動いてくれンのかな」
 土方がまたがっているのは、近藤である。
 ――そう。今日は俺がしてやると、土方が近藤に提案したのだった。ことばで言い表せないのならば、せめて態度で示したい、と思って。
 ああ、と土方はひとつうなずいて、すこし考えるそぶりをしてみせた。近藤の胸に手をついて、わずかに前のめりになって腰を浮かせると、なかにはいっているものがこすれて、熱い。
「アンタが……」
 ゆっくりと、腰を落とす。なかにいる近藤が、またひとまわり大きくなったように思えた。
「アンタが俺を好きになってくれたら」
 秘密をこぼすかのようにそっとささやくと、それまでつらそうに眉をひそめていた近藤が、目を丸くした。それからくちびるの端をつりあげて、笑った。
「好きだよ、トシ」
「うん」
 土方の口許が、自然とほころぶ。汗に濡れた背を丸めて、土方は近藤にキスをした。
「たんじょうびおめでとう、近藤さん」

熱に浮かされ、愛に生きろ。


HAPPY BIRTHDAY !
20070904