背中を流したい〜逆上せても〜
土方は湯船に浸かっている。湯の温度はそこまで熱くはないが、さすがに三十分も湯に浸かっているとくらくらしてくる。
眩暈を感じながらも土方は湯船のなかでじっとしていた。もうすぐ来るはず、ともう何度目かわからない確信を胸にひそめつつある人物を待ち受けているのだった。
それからまた十分後。がらがらと風呂場の扉が開いて近藤が顔を覗かせた。
「トシー、まだ入ってるのか」
土方は顔を真っ赤にさせ、拳をぴしゃりと湯面を打ちつけた。
「近藤さん、遅い」
おれずっと待ってたのに! 迫力に負けたのか、そんな約束は覚えていなかったものの近藤が「ああ、すまん」とあわてたように謝った。
07.09.30
*ぞっとするおはなし。