背中を流したい
「近藤さん、今日はおれが背中を流してやる」
土方は近藤の腕を取り風呂場へと導いた。
「エッ、なになに、どうしたの」
突然の土方の行動に近藤が狼狽える。そんな近藤を「まあまあ」と宥めつつ、土方は近藤の衣服を脱がしていった。
「トシ、トシ」
「まあまあ」
近藤をすっかり全裸にさせると浴室になだれ込む。近藤を椅子に座らせて、土方は自分の着物の裾をめくって近藤の正面にしゃがんだ。
「近藤さん、最初はどこ洗ってほしい? 今日はぜんぶ、おれに任せてくれな」
うっとりしながらスポンジを一生懸命泡立たせていると、おもむろに伸びてきた近藤の指が着物の裾をつまんでいく。
「じゃあトシは俺が洗ってやるからな。洗いっこしよう!」
「……!」
なんて魅力的な言葉だろう! おれはいいから、という台詞がどうしても喉の奥に引っかかって出ては来ず、土方はこくりとうなずいて、スポンジを近藤に渡したのだった。
07.09.06
*ぞっとするおはなし。