キスをするひとつの方法として
 土方は買ってきたばかりのリップクリームをくちびるに塗りつけた。それまでくちびるのかさつきなどたいして気にしたことはなかったけれど、先刻近藤が「くちびるが切れた」と言って舌で舐めているのを見て、これはおれがどうにかしてやらないと! と思い立ったのだった。
 鏡のなかでぷるんと艶やかに光るくちびるはハチミツ味だ。これならあのひとも喜んでくれるだろうと、近藤の笑顔を思い浮かべるだけで土方はすっかり上機嫌になる。


07.03.07
*ぞっとするおはなし。