心理テストにはまる
土方はそれまで読んでいた雑誌を勢いよく閉じると、その勢いのまま近藤の許へ詰め寄った。
「近藤さん、近藤さん。苦労して登山して、ようやく頂上に着いたときの感想は!?」
「エッ……? なんの山? なんか登ったっけ?」
「なんでもいいんだよ! 想像しろ! 感想を言え!」
「えええ……えーと、『やっと着いたー』とか……?」
「やっと……ってことはつまりもっとはやくしたかったってことか。なんだよ近藤さん、アンタがしたいんならもっとはやくでもよかったんだぞ。おれはいつでも準備できてんだから」
「え、登山の? トシくんの趣味、登山だったっけ? ってか俺山登りなんかしたっけ?」
「で、気持ちイイとかもっとしたいとかまだまだぜんぜん足りねェ! とかは思わなかった? おれは……ん、まあ満足、だったけどな……」
「あれ、いつした? 俺いつなんの山に登ったの?」
「なんだよ近藤さん、憶えてねェのかよ……! ひでェ……おれははっきり憶えてンのに! 近藤さんのばかッ!」
「あっ、トシ!? ちょっ……いったいなんの山だったんだ……?」
取り残された近藤は途方に暮れるばかり。
つまり土方が近藤に尋ねたかったのは『初体験時の感想』なのである。
07.03.07
*ぞっとするおはなし。