宝物はぬいぐるみ
 どこかへ出かけていた近藤が帰ってきた。どこへ行っていたのかと尋ねた土方は、近藤が「土産だ」と言って差し出してきたものを見やって目を丸くした。
「なんだこれ」
 土方は思わず貰い受けたものをまじまじと眺めた。手のひらにちょこんと乗るサイズの、ちいさなぬいぐるみが四個もある。ピンク色をした真ん丸い球体にかわいらしく顔が描かれており、手足と思われる紐が四本ぶら下がっている、はっきり言って得体の知れないものだ。
「UFOキャッチャーでとってきた。すげーだろ、たくさんとれたんだぞ。トシくんにやるな」
「……おれに? これを?」
「ああ」
 土方は面食らう。どうせなら、犬とか猫とかクマとか、いま流行りのキャラクターのぬいぐるみであればいいものを――。いや、そうではなく、いい歳をした男がこんなものを貰って喜ぶなんて、まさかそんなこと!
「近藤さん、ありがとう。おれ、すっげー大事にするからな」
 にっこり笑い、近藤の戦利品を大事そうに抱きしめた。
 近藤がいない夜、これらを枕元に並べていれば寂しさも拭えるにちがいない。


07.02.24
*ぞっとするおはなし。