タオルケットに嫉妬する
 近藤が最近新しいタオルケットを手に入れた。ポリエステル100%の、非常に手触りの心地好いものである。「トシも触ってみろ」と促され、土方も触れてみたのだが確かにこれは気持ちが良い。頬にすべらせてみれば、そのやわらかさから安寧の眠気がじんわりとわきおこってくるのだ。
 うっとりとしていた土方は、にこにこと満面の笑みで己を見下ろす近藤に気がついて、はっと我に返った。
 こんなことをしている場合ではない!
 その日から土方は、タオルに負けないように肌をすべすべにしなければ! と意気込んで、自身を磨くことに専念した。肌をなめらかにする石鹸で身体を洗い、ふんわりと鼻腔をくすぐる香りの良いクリームを身体に塗りこんだ。
 そうして数週間後、成人男性にしては艶がありすぎるのではないかというほどすべすべになった肌を近藤の前にさらした土方は、夜な夜な近藤の身体を奪ってしまうタオルケットを彼の目の前に突き出した。
「近藤さん、おれとこのタオルと、今夜はどっちと寝るのか決めてくれ」
 むろん、勝者は言うまでもない。


07.02.22
*ぞっとするおはなし。