写真家気取り
 最近の土方の趣味は写真を撮ることである。厳密に言えば近藤の姿をこっそり写真に撮ることが好きなのである。 その際の景観は一切気にしない。常にファインダーは近藤を中心としているのだ。このためだけに奮発してちょっとだけ高価なカメラを買っていた。すっかりプロの写真家気取りである。
 今日も現像に出していた写真を取りに行った土方は自室でのチェックを怠らない。 上機嫌で写真を眺めていた土方だったが、やがてそれを机の引き出し(すでに写真であふれている)にそっとしまいこむと、いそいそと部屋を飛び出した。やって来たのは近藤の部屋だ。そうっと中を覗きこみ、近藤の背中を見つけるとすぐさま駆け寄った。
「近藤さん!」
「うおっ、……ってどうしたトシ」
「ん、なんでもねー」
 土方はしみじみ思う。やっぱり本物がいちばんだ。それでもあたたかい腕のなかにいると、夜の彼の姿も写真に収めておきたいなと思ってしまうのである。


07.02.20
*ぞっとするおはなし。