酒を飲んだ日
「酔っ払っちまった」
 空になったお猪口の縁を舌で舐め取り、傍らにいる男に視線を投げる。
「なア近藤さん」
 しなだれながらお猪口を近藤のほうへずいと突き出す。
「もっと飲みたい」
「もうやめておけ」
「やだ」
 土方はくちびるを尖らせながら近藤に抱きついた。飲ませろ飲ませろとあまり呂律の回っていない口調で喚いていると、しょうがねえなあと笑った近藤に抱き起こされる。
「部屋まで送るから」
 土方は近藤に抱きついたままその耳元にくちびるを寄せ、しっかりとした口調で囁いた。
「じゃあかわりにアンタの飲ませてな」


07.02.19
*ぞっとするおはなし。