12:百年ノ恋
「一目惚れだったのかなァ」
 ぼんやりとつぶやくと、机を挟み正面に座っていた土方が「はァ?」と間の抜けた声をあげた。
「なんかヘンなモンでも食ったか? いまの時期は特に危ないから気をつけろよ」
 的外れなことを言われて、近藤はくっと口をへの字に曲げてみせた。
「今日俺が食ったのは、おまえのよそってくれたマヨネーズがたっぷりかかったカツカレーだ」
「じゃア原因はソレじゃねえな」
 あっさりと言い放たれる。確かに土方の言うとおりだったので、近藤はそれ以上言及はしなかった。たとえ、ちょっといま胃がもたれているなァ、と思っていてもだ。
「また飯のときは俺がアンタの分もよそってやるな。マヨネーズはすげーからだにイイんだからな」
 苦笑しながらも、近藤の首は自然と縦に振られていた。


20070719