「起きろ、朝だぞー」
ふわり、前髪をやさしく梳かれる感触に土方は目を覚ました。枕元には近藤がしゃがんでこちらを窺っている。
ンなに見るなよ。はは、寝顔、ばっちり見た。バカじゃねえの。バカだもん。だもん、じゃねェだろイイ歳して。
すぅとした冷気が頬を包む。冬の朝の独特の空気だ。寒さに眉を寄せた土方は、毛布を頭からかぶった。
「こら、トシくん!」
「うわっ、寒いんだって」
取り上げられそうになる毛布の端をつかみ、目で訴える。う、と口ごもった近藤はしかし、妙案を思いついたのかにやりと笑った。
「トシ」
「ん……」
呼ばれて顔を近藤のほうへ向けた瞬間、額に接吻けられて身体が強張る。
体温が急上昇していくのを感じる。血液が沸騰しそうな勢いだ。寒さなどどこかに吹き飛んでしまった。
「起きた?」
「ん……まだ」
もう一回。土方は甘くねだって近藤を布団のなかへと誘い込んだ。
移る、体温。
title by 24番目のネジ[http://24th.chakin.com]
冬、5題/寒い寒いとうるさいきみへ
20061213