やけに冷えこんでいると思ったら夜間に雪が降り積もっていたようだ。見渡す限り真っ白に染まった庭を眺めて、土方は知らず感嘆のため息をこぼした。
夜が明けたばかりなのでまだあたりは薄暗く、それでも地面の白さは際立っている。突っかけに足を通すと、その冷たさに素足じわりと震えた。雪のうえに降り立ち、あまり沈まないことを確認してから一歩を踏みだす。じゃりじゃりと新雪を踏みつぶすのはなかなか気分のいいものだった。
(あのひとにも教えてやろうかな)
不意に思いついて、土方は振りかえった。茶色く濁った足跡が一対、ふらふらと酔っ払いのような足取りで若干乱れている。
(……ほかの奴らが起きるまえに)
先刻とはうってかわって、真新しい雪を踏まないように自分の足跡をたどって部屋へと急いだ。
title by 24番目のネジ[http://24th.chakin.com]
冬、5題/振り返るとそこに足跡しかなくて
20080207