あれは熱帯夜だった。暑くて暑くて、何もせずとも汗が吹き出してくるほどの、暑い夜。
にもかかわらず、ひとの体温が恋しくて抱き合った、熱い夜だった。汗と精液と、区別がつかないほどにぐちゃぐちゃになって、暑いなァ、笑いながらそれでも肌を重ねた。
夢の中の近藤の顔が霧に包まれたみたいに判然としていなかったのは、近藤の背中に当たる白熱灯に目が眩んでいたのか、それともとうに意識は半分飛んでいたのかもしれなかった。
土方は目を覚ました。切れかけていた白熱灯はすでに事切れていた。人工的な照明すらもなくなった。冷たい闇だけが、土方を包み込んでいた。寒さに身を縮こまらせ、土方はひとりの布団で夜が明けるのを待った。