066:サディスティックな衝動とアナタの嘘
「近藤さん……」
 近藤の首に腕を巻きつけくちびるを重ねる。そのまま押し倒すと、身構えていなかった近藤は畳に後頭部を思い切りぶつけてしまった。
「いだッ」
「……アンタなァ、受け身ぐらいちゃんととれよ」
 呆れたふうにため息をついてみせると、近藤が頭をがしがしとかいて顔をしかめた。
「だってトシくん、いきなりなんだもん」
「だから受け身をとれって言ってンだろうが」
 それにイイ年したオッサンが「だもん」だなんて言うンじゃねえよ。ずっとおれの視線に気づいていて無視をしていたくせに!
 土方がぎゅうと近藤に抱きつくと、近藤の大きな手のひらが頭をやさしく撫でた。それだけで気持ちが安らいでいくようになるから、なんとも不思議なものだ。


06.10.08