最近忙しいらしく残業が続いている近藤がいない部屋でひとり、土方は寝転がって天井を睨みつけていた。
小一時間ほど腹の虫が鳴いているが、ひとり分の夕飯を作るのも億劫で何をするにも気力がない。
『先に食べてていいから』と自分を気遣う言葉が先ほど送られてきた残業を告げるメールに添えられていたが、『わかった』と一言だけの素っ気ない返事で済ませてしまった。
なんであんな無愛想な対応をしてしまったのだろうかと、土方はいまひどく後悔していた。
ごろりと身体を横向きに変えて小さくため息をつく。近藤が自分を気にしてくれるだろうと浅はかな考えからあんな返事を送ってしまった数時間前の自分を恥じた。
携帯電話を握りしめ、改めてメールをしようかとも考えたが、思いつく言葉ははやく帰ってきてなどという我が侭しかない。
それならばと、土方は手のなかの機械を投げだしてついには思考することすら放棄してしまった。
それからのち、メールの着信を告げるメロディーが部屋に響き渡ったのは土方がすっかり眠りこけてからのことだった。