057:わがまま
 ダメだよそれじゃア足りない。
 土方は首を振って近藤にねだってみせた。でもなァトシ、そう押し止める声は聞こえないふりをして、抱えていたスーパーの袋を近藤に押しつけ、自らは陳列棚に手を伸ばし新たに大量のマヨネーズを抱え込む。
「ん、今日はこんくらいでいいかな」
「え、今日は、って」
「明日は特売日だから、また買いに来る」
「うそッ、俺も!?」
「あたりまえ」
 当然とばかりに頷いた土方はにっこりと笑みを浮かべ、軽やかな足取りでレジへと向かった。その場で立ち尽くす近藤をふいに振り返って、
「その代わり今夜はたっぷりサービスしてやるから」

(でもアンタが望むのならいつだって)


06.10.07