「近藤さん、合コンは楽しかった?」
あまりに突然の問いかけだったので、素直に頷きかけた近藤は振り返った先で見つけた極上の笑みに思わず顔を引きつらせた。
「えー……っと」
「合コン、楽しかった? 俺、なーんも知らなかったなアンタがそんなところに行ってたなんて。さっき万事屋の野郎に偶然会って聞いたんだよ、たまにはアイツも役に立つよなァ、それで合コン、楽しかったのか?」
畳み掛けるように問いただされて、口を挟みたくてもそれは叶わない。
「俺は一生懸命仕事してたっつーのに、アンタは呑気に合コンかァ」
「いやだって俺、休みだったし……!」
微笑みは絶やさない。ただしその目は一切笑ってはいない土方をなだめようと近藤は必死に思考を働かせた。
「トシくん、俺ね、記憶喪失になってね、昨日のことはほとんど憶えてないの」
「へーアンタの頭ってずいぶん都合のイイようにできてんだな。それで髪の長い女のことは憶えてるって?」
「エッ」
髪の長い女? 首をひねった近藤はやがて、敵である人物を頭に思い描いて顔色を変えた。
「トシ、それも万事屋に」
「聞いた」
「ちがうぞそれ! うそうそ! 女じゃなくてかつ――」
「俺も髪、また伸ばそうかな」
ぽつり、落とされたつぶやきに近藤は胸をつかれる。うつむいた土方の顔を覗きこめば、どこか不貞腐れた面持ちでいたので無意識に彼を胸に抱きこんだ。
ああ、ごめんな不器用で。
でもたまに見せてくれるきみのそんな顔が実は好きなんだと言ったら、どんな反応してくれるのだろう。近藤は、緩む口許を見られないよう、土方を強く抱きしめた。