048:ピアス
「なァトシ、ピアスとかつけてみたら女の子にモテるかなあ」
「はあ?」
至極真面目な顔をして近藤が言うものだから、思わず土方はくわえていた煙草を落としそうになってしまった。あわてて指先でそれをつまみなおし、口に入れて大きく息を吸い込んだ。
「アンタにはンなモン似合わねーよ」
「そうかァ……?」
そんなちゃらちゃらしたものをつけなくても近藤の魅力はたくさんある。他の人間にわからなくても自分にだけわかれば充分なのだ。
土方は殊勝に頷いて、どうせなら、とおもむろに近藤の股間に手を伸ばした。
「お……っ」
「こっちにつけてみたら? セックスのとき、イイらしいぜ」
「それってトシくん、」
「アンタはすっげー痛いかもしんねーけど」
にっこりと極上の笑みを浮かべてみせると近藤は盛大にしかめ面をして、やっぱりいいやと苦々しく吐き出した。
そりゃー残念、呟いた土方の口調は冗談で笑い飛ばすにはあまりにも真剣なものだったので、それに怯えたのか近藤は顔を引きつらせて、まだ股間に置かれたままの土方の手をはずしにかかった。
06.09.11