024:柔らかい唇
 硬い、ささくれだった指が土方の唇に触れた。 その所作は何かを確かめるかのようにひどく繊細で、土方はくすぐったさに吐息を漏らした。
「なに、」
 端的に尋ねる。未だ近藤の指が唇に接触していたからだ。
「んー」
 低くうなり声を上げる近藤の視線は、依然として土方の唇に注がれていた。
 ……居心地が悪い。
 くすぐったさが唇から身体中、そして内へと蔓延していくようだった。
「トシの唇は柔らかくて、気持ちいいな」
 あまりにも単純な所感を述べられて、土方は一瞬虚を衝かれたように目を丸くした。 しかしすぐに気を取り直して、指をひとつ、舌で舐める。
「それじゃあ今から、コレでアンタを気持ちヨクしてやるよ」


06.06.27