022:背中越し
「――大丈夫か」
「ああ」
 刀を握り締め、一歩後退する。そこでぶつかった、広い背中。ぬくもりに、思わず安堵する。
「敵はあと……十五人、ってとこか」
「楽勝だろ、俺たちにかかれば」
 頭をわずかに傾けて、視線を背後に向ける。そこでかち合った瞳と笑い合う。
 身体にはあちこちに擦過傷、しかしそれは大した傷ではない。
「――行くか」
「ああ」
 一言、それが合図。さっと前進、離れた体温はすぐにまた、たっぷり味わえるだろう。


06.06.30