016:「ごめんね」
 良心の呵責に苛まれるのは、土方の涙を見たときだ。
 触って舐って突き上げて。散々イイようにした後、ふと我に返ってみると土方は、涙を流している。 おそらくそれは快感によって引き起こされた生理的なものであって、決して悲観していたり寂しがっているから泣いているということではない……はず、だ。
 しかしその光景は近藤の心情を揺さぶるのに充分だった。 慌てて「ごめん」と謝罪の言葉を並べると、しかし途端土方は怒ったような顔をして、謝るなと言う。その剣幕に近藤は瞠目してしまう。
「……俺、がっつきすぎてねェ?」
「それだけ俺に、夢中になってくれてるってことなんだろ」
 な? と確認するように土方が首をかしげるので、近藤は素直にうん、と頷いた。頷いて、キスをする。 それですっかり機嫌の直ったらしい土方が首に腕を絡めてくると、自然と顔を寄せ合う形になった。
「――ごめん、」
 こんなに好きで、と耳元で呟かれた言葉に近藤はふと胸が締めつけられる思いを感じた。


06.07.01