002:これ以上
「これ以上待ってらンねえよ」
 口調を荒げる土方に近藤はいつもの困ったふうな、なかなか言うことをきかない子どもを言い聞かすみたいな微苦笑をして、土方の頭をそうっと撫でた。
 俺はそんなことをしてもらいたいんじゃねえ……!
 思い切り近藤の手を払いのけてやりたかったが、土方はそうすることはせずに――できずに、何かに耐え忍ぶようにただ下唇を噛み締めた。


06.06.18